日本服薬支援研究会 安全で有効な投薬法を目指して

日本服薬支援研究会の紹介

日本服薬支援研究会は2007年1月簡易懸濁法研究会として設立、2019年7月に日本服薬支援研究会として名称変更しました。

設立趣意書

簡易懸濁法研究会改め、服薬支援研究会の誕生−薬剤師のソコヂカラと将来構想−

1997年に胃瘻の閉塞を経験し、それをきっかけに簡易懸濁法を考案しました。2001年12月に“内服薬経管投与ハンドブック(鰍カほう)”を出版し、その普及に努めてきてきました。当初は「簡易懸濁法って何ですか」と聞かれましたが、初版の出版以来17年が経過した今、「簡易懸濁法を考えた人なのですか?」と聞かれることが多くなりました。

2007年1月、11名のメンバーが集まり簡易懸濁法研究会が発足し、12年間、正しい簡易懸濁法の普及に努力して参りました。2019年9月、医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインに関するQ&A(その3)において、簡易懸濁を行う際に参考となる医薬品の安全性等の情報について、インタビューフォームへの記載が認められました。また同年12月から現在使用している注入器が順次ISO80369-3に変更されます。しかし、簡易懸濁法の各医薬品の通過性データは外径2.7oで試験していますが、ISO80369-3の内径は2.9oあり、注入器が変わっても内服薬経管投与ハンドブックのデータがそのまま使用できます。

2013年発刊の簡易懸濁法研究会会誌第1号の巻頭言に、「簡易懸濁法研究会は単なる経管投薬のための研究会ということではなく、患者さんの体に薬が入るまでを支援する研究会です。薬剤師のみならず、(中略)各職種が知恵を出し合い、力を合わせて「服薬支援」に尽力したら、すごいパワーとなります。」と書きました。簡易懸濁法が広く周知され、IFにも掲載されるようになった今、簡易懸濁法研究会を「服薬支援研究会」と発展させ、新たな活動を開始することになりました。

服薬支援研究会は、「摂食嚥下障害」「運動障害」「健康長寿」「がんケア」「医療安全」「小児」の6部門より構成されます(図1)。


図1(クリックで拡大


「摂食嚥下障害」は簡易懸濁法のみならず、経口投与の際の最適な剤形や服薬の工夫も含みます。今までも紹介してきた片麻痺や関節リウマチ・パーキンソン病、抗がん剤のよる爪囲炎などでの「運動障害」の服薬についても継続していきます。近年問題となっているフレイル、サルコペニアと関連する栄養管理、また褥瘡や感染予防も含めた活動をするのが「健康長寿」の部門です。つまり薬を服用する患者の問題だけでなく、広く未病・予防についても考えていきます。「がんケア」では、多くの患者が悩んでいるシャンプーやマスクなどの生活用品も含めた相談に薬剤師が対応できるような薬剤師支援も行います。薬剤師の在宅医療への参入が求められ、ポリファーマシーやプレアボイド゙、また患者が安全に服薬するための「医療安全」もますます重要になります。服薬支援は高齢者のみならず小児においても重要です。欧州では小児の剤形としてミニタブレットが研究されています。倉田の研究において、速崩性ミニタブレット及びゲル化ミニタブレットは4〜8歳児において通常のミニタブレットよりも服用しやすいことが示されました。ゲル化ミニタブレットは倉田のアイデアにより製造された剤形であり、欧州にはありません。日本ならではの技術が世界を制するような研究ができればと思います。薬剤学会小児製剤フォーカスグループとともに研究を進めていきます。

簡易懸濁法研究会のファミリーはそのまま服薬支援研究会のファミリーとして、患者のための服薬支援について広く考えながら、医療界における薬剤師の役割を社会に示していきたいと思っております。

皆様とともに、薬剤師のソコヂカラを発揮していきましょう。今後とも、よろしくお願いいたします。

令和元年9月吉日 代表
推進室 倉田なおみ

 

幹事一覧(担当委員はこちら

代表幹事 倉田 なおみ 昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門 客員教授
副代表幹事 新井 克明 医療法人渡辺会大洗海岸病院 薬剤部長
石田 志朗 徳島文理大学香川薬学部製剤学講座 教授
幹事 宮本 悦子 特定非営利活動法人 健康環境教育の会
安藤 哲信 医療法人社団吉美会吉備高原ルミエール病院 薬剤科長
近藤 幸男 社会福祉法人東京有隣会 有隣病院 薬剤科長
天野 学 兵庫医療大学薬学部 教授
篠原 久仁子 フローラ薬局 代表取締役
秋山 滋男 東京薬科大学薬学部 准教授
岸本 真 霧島市立医師会医療センター薬剤部 薬剤部長
座間味 義人 徳島大学 大学院医歯薬学研究部 臨床薬理学分野 准教授
世良 庄司 武蔵野大学薬学部 レギュラトリーサイエンス研究室 講師
寺町 ひとみ 岐阜薬科大学実践薬学大講座病院薬学研究室 教授
輿石 徹 東京医科大学八王子医療センター薬剤部
飯田 純一 済生会横浜市南部病院 入退院支援センター
青木 学一 北里大学薬学部臨床薬学研究・教育センター薬物治療学W 講師
北里大学メディカルセンター薬剤部
熊木 良太 昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門 助教
橋本 佳奈 兵庫医科大学薬学部
久保 和子 岡山大学病院薬剤部
顧問 西園 憲郎 益田赤十字病院薬剤部
賀勢 泰子 医療法人久仁会鳴門山上病院診療協力部長
岡野 善郎 徳島文理大学薬剤部名誉教授
小茂田 昌代 東京理科大学薬学部教授
藤原 琴 和泉市立総合医療センター

(順不同、役職は2020年9月時点)

会則

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主な活動内容

  1. 研究会の開催など、簡易懸濁法を含む服薬支援の研究・普及に関する事業
  2. 医療・介護現場における問題点の抽出、研究機関(大学・企業など)との連携による研究
  3. 医療・介護施設間の連携強化による簡易懸濁法実施施設の見学斡旋業務
  4. 国内外関係学会との連携および国際交流
  5. 関誌その他刊行物の発行
  6. その他、本研究会発展のために必要な事業

会員の特典

    [一般会員、学生会員]

  1. 講演会や簡易懸濁法実技セミナーなどへ会員向け参加費で参加ができる
  2. 講演会で会員発表ができる
  3. 会員が主催する服薬支援(簡易懸濁法含む)に関連した講演会などに対して要望があれば本会で検討のうえ後援として協力する
  4. 簡易懸濁法実施施設の見学斡旋が受けられる
  5. 会誌が無料で配布される
  6. 本会の刊行物を会員特価で購入できる
  7. 会誌に投稿ができる
  8. 疑問点・問題点の問い合わせができる
  9. メーリングリストを利用して会員同士の意見交換ができる
  10. メーリングリストを利用して本会の事業に関連したアンケート調査(幹事会で承認)が実施できる
  11. 簡易懸濁法認定薬剤師ならびに簡易懸濁法指導薬剤師の申請資格が得られる

  12. [賛助会員]

  13. 講演会や簡易懸濁法実技セミナーなどへ会員向け参加費で参加ができる(代表者および登録者)
  14. 講演会で会員企業発表ができる(口数の多い順)
  15. 講演会会場で展示、パンフレットの配布ができる
  16. 賛助会員が主催する服薬支援(簡易懸濁法含む)に関連した講演会などに対して要望があれば本会で検討のうえ後援として協力する
  17. 会誌が無料で配布される(1口につき1冊)
  18. 本会の刊行物を会員特価で購入できる
  19. 会誌に投稿ができる
  20. 会誌などに広告を募集する際には優先的に広告を掲載できるように配慮する
  21. 疑問点・問題点の問い合わせができる
  22. メーリングリストを利用して服薬支援(簡易懸濁法含む)に関連した情報が得られる
  23. メーリングリストを利用して本会の事業に関連したアンケート調査(幹事会で承認)が実施できる
  24. 本会のホームページに企業名が記載でき、リンクを張ることができる
  25. 賛助会員が行う服薬支援(簡易懸濁法含む)に関連した新規開発製品などへの助言に対して要望があれば本会で検討のうえ協力する

参加方法

会の趣旨にご賛同いただける方は、下記申込みフォームに必要事項を記入の上お申込みください。
追って入会申込書および会費振込用紙をお送りします。

入会お申込フォームはこちらから

年会費

度会費として入会時および毎年7月に会費納入をお願いいたします。
年会費を継続して2年間滞納した会員は、自動的に退会といたします。

会員種別 年会費
一般会員 5,000円
学生会員 2,000円
賛助(企業)会員 50,000円(一口)

日本服薬支援研究会 会員メーリングリストについて

本服薬支援研究会に入会いただいた方は自動的に会員専用メーリングリストに登録させていただきます。
本メーリングリストは会員との情報交換の場として利用できます。